ソチの希望の星たち

美しき金メダル争い

エフゲニー・プルシェンコ、フィギュアスケート

 31歳のプルシェンコにとって、ソチの大会は4度目の五輪となる。2006年トリノ冬季五輪のチャンピオンは、昨年1月にクロアチアのザグレブで行われた「ISU欧州フィギュアスケート選手権」で腰痛を理由に大会を棄権し、イスラエルの病院で椎間板(ついかんばん)ヘルニアの手術を受けていたが、10ヶ月のブランクを経て氷上に復帰。11月初めにラトビアの首都リガで開催された「ボルボ・オープン・カップ」では、見事に優勝した。アレクセイ・ミシン・コーチは、長きに渡って世界でライバル不在だった従来のプルシェンコを、ソチで見ることができると話している。

 

ニキータ・クリュコフ、クロスカントリースキー

Imago/Legion Media撮影

 クリュコフは2010年バンクーバー冬季五輪の個人スプリントで見事なフィニッシュを決め、多くの人の記憶に残った。アレクサンドル・パンジンスキーと の金メダルをかけた熱き戦いに、有力視されていたノルウェーのペッテル・ノールトゥグは割り込むことができなかった。クリュコフの優勝は偶然ではない。クロスカントリースキー・ワールドカップでは安定的に好結果を残している。2013年には個人スプリントとチームスプリントで金メダルを獲得。ソチで五輪二 冠を達成する可能性は十分にある。

 

エカチェリーナ・トゥデゲシェワ、スノーボード

Imago/Legion Media撮影

 トゥデゲシェワは、スキー競技からスタートした選手だ。スノーボードへの転向は正しい選択となり、オーストリア・クライシュベルクで行われた2003年 FISスノーボード世界選手権では、14歳にして上位20位以内に入った。スノーボードはつい最近まで、ロシアではエキゾチックなスポーツだった。現在はロシア各地でたくさんの若者がスノーボードを滑っているが、トゥデゲシェワ・レベルの新たな才能はまだ現れていない。ロシアのスノーボードの星が、パラレ ル回転で成功を収める可能性は、十分にある。世界選手権での2度の優勝経験が後押しする。

 

イワン・スコブレフ、スピードスケート

Imago/Legion Media撮影

 ハバロフスク市出身のスコブレフは、ソ連崩壊後のスピードスケート史で、もっとも多くのメダルを獲得している選手だ。そしてその記録が、バンクーバー冬 季五輪の銀メダルと銅メダルに制限されることはない。ソチでのメダル獲得が有力な選手のひとりと考えられており、1万メートル、5000メートル、それより短い距離の種目での活躍が期待されている。バンクーバーの閉会式で、スコブレフは旗手を務めた。

 

アレクサンドル・トレチャコフ、スケルトン

Imago/Legion Media撮影

 バンクーバー五輪の銅メダリストで、FIBT世界選手権のチャンピオンは、カナダのカルガリーで新たなシーズンをスタートさせた。トレチャコフはより危険とされる、北米のコースを好んでいる。最高のコンディションが整うのは2月の予定。ソチでライバルとなるのは、ラトビアのマルティンス・ドゥクルス。 ファイナル・レースは100分の1秒差で決まる。

 

オリガ・ザイツェワ、バイアスロン

AP通信撮影

 ドイツのミリアム・ゲスナーとノルウェーのトラ・ベルゲルがソチ五輪の金メダル有力候補にあがっているが、ロシアの選手を除外する必要はない。特にザイツェワは、ロシア代表のトップ選手である。トリノ五輪とバンクーバー五輪で金メダルを獲得している35歳のベテランが、母国で活躍する可能性は十分にあ る。ロシアのバイアスロンの幹部が、ソチ五輪のために引退を先延ばししてくれと頼んだほどだ。

 

タチヤナ・ボロソジャルとマクシム・トラニコフ、フィギュアスケート

ロイター通信撮影

 ロシアのフィギュアスケート選手は誰も、バンクーバー五輪で金メダルを獲得できなかった。長きにわたり、フィギュアスケートのトレンド・セッター(流 行しかけ人)をつとめてきたロシア代表は、ソチで勝つしかない。活躍の可能性が高いのが、ペアのボロソジャル・トラニコフ組。世界選手権とヨーロッパ選手 権のチャンピオンは、ドイツ、アメリカ、日本で行われた今シーズンの大会で貫禄の滑りを見せ、優勝している。ソチ五輪のフリー・プログラムで、アンド リュー・ロイド・ウェバーのロック・オペラ「イエス・キリスト・スーパースター」に合わせて演技を行うメダル候補の2人は、最近の活躍に勝るとも劣らぬ滑りを見せてくれるだろう。

 

安賢洙、ショートトラック

AP通信撮影

 ロシアに帰化した韓国人の安は、ロシアのショートトラック代表にとって、真の発掘となった。2011年にロシアの市民権を獲得すると(ロシア代表用に ヴィクトル・アンという名前を選んだ)、すぐに活躍。新チームで迎えた自身最初のシーズンでは、ショートトラック・ワールドカップの3大会で優勝し、世界 選手権では500メートルで銀メダルを獲得した。トリノ五輪で金メダルを3個獲得しているアンが、さらなる金メダル獲得を目指す。

 

アリベルト・デムチェンコ、リュージュ

Imago/Legion Media撮影

 42歳のデムチェンコにとって、ソチは自身7回目の五輪となる。最初の3大会は2人乗りで出場していたが、ソルトレイクシティ五輪で1人乗りに変えて以 降、こちらを好んでいる。ヨーロッパ選手権で金メダルを獲得しているものの、五輪ではまだ一度も手にしていない。トリノ五輪の銀メダルが最高だ。五輪で金メダルを手にしてから引退するというのは、最高のモチベーションだろう。

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